忘却の彼方へ

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↑我が家のアスチルベ2態

Mさんは70歳。 30年来の常連だがここ1年程は姿を見せなかった。 人伝に認知症専門の施設に入ったとは聞いていたが、昨日ご主人の車で来店してくれた。 お孫さんのピアノの発表会の為に特別に外出許可を得たとの事だった。

相変わらず綺麗でお洒落なMさんは男性の様なストレートのショットカットに変身していた。 施設の入所者は皆同じスタイルらしい。

セット椅子に座っての第一声は「ここは初めてだけど綺麗なお店ですね。」だった。 長年の付き合いなのに私の事も全く覚えていない様だ。

付き添ってくれたご主人は悲しそうな表情を浮かべたが、私はこれだけ見事に全てを忘れられたら、悩みも消えてしまうのではないかとある種羨ましくもあった。

老いへの恐怖とか、孤独な生活の心配とか、全てを忘れて気ままに日々を送れたら、今より幸せかもしれないと思ったのだ。

シャンプーブローが済んだ Mさんは「お陰様でとても気持ちがいいわ」と、穏やかな表情で帰って行ったが、見送った私の心境は頗る複雑だったのである。

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